ISBN:4043611129 文庫 宮部 みゆき 角川書店 2006/05/23 ¥700

…描かれる幻界。

中巻は、いよいよ本格的に幻界でのワタルの旅が始まります。

ワタルが幻界へ来るよりも早く、ミツルは既に旅を始めていて、でも女神のいる運命の塔で叶えられる願いはひとつだけという、ここでもワタルは別の「運命」を背負うわけです。
見た事もない世界で、一人で旅をしなければないらないワタルには、やがて仲間が出来る。こういう所は、ゲームのRPGっぽさがあって、ワタル自身もゲーム好きで(これは上巻でかなり語られる)、それと照らし合わせるという場面がよく出てきます。

そして何より仲間達が魅力的。トカゲのような水人族のキ・キーマや猫の容姿をもったネ族のミーナを始め、行く先々で知り合う人々が個性的で良い。幻界が、現世の人の心が作った世界であるために、そこには現世に似た政治があったり、現世で見知っている人達の姿が見られる事もある。実はこれが後半かなり重要な要素になってきます。

兎に角中巻で描かれる幻界の様子は、一度行ってみたくなるような世界観です。楽しい事とか哀しい事とか様々な感情が入り乱れています。ワタルの持つ、勇者の剣に納める宝玉を探しつつ目指す運命の塔。そして幻界の重要な秘密が解き明かされていき、いよいよ最大の事件が起こる。
ここから物語りは、かなり深刻です。そして例によって早目に下巻を購入し、準備だけ万端にしておいた僕でした。

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